C26セレナにお乗りのお客様から、CVTF交換についてご相談をいただきました。
走行距離は約85,000km。
今回いちばん気にされていたのは、ECOモードで走行したときに感じるジャダーです。
通常モードではほとんど気にならず、ECOモードで走ったときに症状を感じることがあるとのことでした。
「CVTFを交換すればジャダーは直りますか?」というところが、やはり一番ご心配な点だったと思います。
C26セレナのジャダー、CVTF交換で必ず直るとは言えません
最初にお客様へお伝えしたのは、CVTFを交換したからといって、ジャダーが必ず改善するとは限らないということです。
CVTFの劣化や汚れ、摩擦特性の変化などが症状に関係している場合は、フルード交換によって変化が出る可能性があります。
しかし、CVT内部の摩耗や機械的な不具合などが原因の場合は、フルードを交換しても症状が残ることがあります。
そのためWINDSでは、症状のある車に対して「交換すれば直ります」とお約束して作業することはしていません。
今回のお客様もその点をご理解いただいたうえで、
「ジャダーが完全に直らなくても、これ以上状態が悪くならないように今できる整備をしておきたい」
ということで、CVTF交換をご依頼いただきました。
車両はC26セレナ ハイブリッド HFC26
今回の車両はC26セレナ ハイブリッドです。
- 車両:日産 セレナ
- 型式:DAA-HFC26
- 初度登録:2014年
- 走行距離:約85,000km
同じC26セレナでも年式や仕様によってCVTの内容が異なる場合がありますので、整備資料だけで決めつけず、現車のコーションプレートを確認しました。
今回の車両に搭載されていたCVTは、RE0F10Fでした。
指定されているCVTフルードは日産NS-3です。
作業前のCVTF劣化度データは「18」でした
診断機で作業前のCVTフルード劣化度データを確認すると、表示は18でした。
走行距離約85,000kmということを考えると、かなり小さな数字です。
ただし、この「劣化度データ」は抜いたCVTFの汚れや摩耗粉を直接測定している数字ではありません。
また、過去にデータがリセットされた履歴があるかどうかも、今回の確認だけでは分かりません。
そのためWINDSでは、診断機の数字だけを見てCVTFの状態を判断することはしません。
実際に抜けたフルードの状態や、オイルパン内部、マグネット、ストレーナーなども確認しながら作業を進めます。
オイルパンに変形があったため新品へ交換します
今回の車両は、CVTオイルパンに変形が見られました。
大きく押し潰されている状態ではありませんでしたが、今回は事前に日産純正の新品オイルパンを取り寄せて交換することにしました。
オイルパンの変形が大きい場合、内部部品とのクリアランスだけでなく、取付面やボルト部分に影響が出る可能性もあります。
今回は幸い、ボルト部分まで大きく変形している状態ではありませんでした。
ストレーナーと外部CVTフィルターも交換
CVTFだけを入れ替えて終わりではありません。
今回はオイルパンを取り外すため、内部のCVTストレーナーも新品へ交換します。
さらに、このCVTにはミッション外側にもCVTフルード用のフィルターがあります。
この外部フィルターも新品へ交換し、同時にOリング類も新品にしました。
外部フィルターの上側固定ボルトはスペースが非常に狭く、通常の工具が入りにくい場所にあります。
C26セレナを実際に作業してみると、この部分はかなり作業性の悪いところでした。
時間は掛かりますが、交換できるフィルターですので、今回はここまで交換しています。
使用するCVTFはENEOSのNS-3適合油
今回使用したCVTFは、当店で使用しているENEOSのNS-3適合CVTFです。
「純正以外のフルードを使うのですか?」と心配される方もいらっしゃると思いますので、当店では使用するオイルについても事前にお伝えしています。
部品についても、今回使用したオイルパン、ストレーナー、外部フィルター、Oリング類は日産部品から取り寄せています。
何を交換して、どのフルードを使うのかを分からないまま作業することはありません。
WINDSでは約20Lを使ってCVTFを圧送交換
オイルパン、ストレーナー、外部フィルターの交換後、トルコン太郎を接続してCVTFの圧送交換を行います。
今回はWINDSで行っている1.5回洗浄の方法で、
- 最初に約5Lを入れて循環
- 1回目の圧送交換 約7.5L
- 仕上げの圧送交換 約7.5L
合計約20LのCVTFを使用しました。
今回抜けたCVTFは、走行距離から想像していたほど真っ黒に汚れている状態ではありませんでした。
ただ、色だけでCVT内部の状態を判断することはできません。
新しいフルードへ少しずつ入れ替えながら、トルコン太郎のモニターで状態を確認して進めました。
トルコン太郎を使用したCVTF交換については、こちらでもご案内しています。
最後の油量調整は油温35〜45℃で行います
このRE0F10Fは、最後の油量調整も重要です。
整備資料を確認すると、CVTF温度を35〜45℃にして、エンジンをアイドリングさせた状態でオーバーフロー量を確認する方式になっています。
単純に「抜けた量と同じだけ入れる」で終わる作業ではありません。
油温が高すぎても正確な調整ができないため、一度温度を下げてから作業を行いました。
規定温度の範囲でオーバーフロー状態を確認し、最終的なCVTF量を調整しています。
作業後は診断機を使用して、CVTフルード劣化度データの消去と電動オイルポンプのエア抜きも行いました。
交換後、ECOモードで試運転
すべての作業が終わったあと、ECOモードを使用して試運転を行いました。
今回の試運転では、作業前にお客様から聞いていたようなジャダーには気付きませんでした。
ただし、お客様のお話ではもともと「毎回出るわけではなく、出るときと出ないときがある」とのことでした。
また、日頃から乗っているお客様の方が、わずかな変化には気付きやすいと思います。
そのため、今回の試運転だけで
「CVTF交換でジャダーが完全に直りました」
とは判断していません。
納車後、普段の道路や普段のアクセル操作でECOモードを使用していただき、症状がどう変化するかを見ていただくことにしています。
ジャダーがある車ほど、良いことだけを言わずに説明します
CVTF交換について調べていると、
「交換したら変速が滑らかになった」
「ジャダーがなくなった」
といった情報を目にすることがあります。
実際に改善する車もあります。
しかし、すべての車が同じ結果になるとは限りません。
症状がCVTFに起因しているのか、CVT内部の摩耗なのか、それ以外の原因なのかは、フルード交換だけでは判断できない場合があります。
WINDSでは、症状のある車ほど「交換すれば大丈夫です」と簡単にはお伝えしません。
今回のお客様にも、交換してもジャダーが残る可能性があることをご説明しています。
そのうえで、お客様ご自身が
「今後これ以上悪くならないように、今できる整備をしておきたい」
と判断され、今回の作業となりました。
今回のC26セレナ CVTF交換内容
- 作業前診断
- CVT型式確認(RE0F10F)
- 新品CVTオイルパン交換
- オイルパンガスケット交換
- CVTストレーナー交換
- 外部CVTフィルター交換
- 各Oリング交換
- ENEOS NS-3適合CVTF 約20L使用
- トルコン太郎による圧送交換
- 35〜45℃で最終油量調整
- CVTF劣化度データ消去
- 電動オイルポンプのエア抜き
- 作業後試運転・漏れ確認
今回の施工金額は76,900円(税込)でした。
部品価格やオイル価格は変更になることがありますので、同じ車種でも施工時期や車両状態によって金額は変わります。
CVTF交換費用について調べている方はこちらも参考にしてください。
C26セレナのCVTF交換で悩まれている方へ
C26セレナは年数も経過し、走行距離が増えている車両も多くなってきました。
「今までCVTFを交換していないけれど交換して大丈夫なのか」
「発進時にジャダーのような振動がある」
「ディーラーや整備工場でCVTF交換を断られた」
このようなことで悩まれている方もいらっしゃると思います。
走行距離だけを見て、すべての車に同じ判断をすることはできません。
車両の状態、現在出ている症状、過去の整備状況などを確認し、お客様と相談しながら作業するかどうかを決めることが大切だと考えています。
圧送交換について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
鹿児島県曽於市のWINDSでは、作業の良い面だけではなく、改善しない可能性や考えられるリスクについても事前にお伝えしたうえで、ATF・CVTF交換のご相談をお受けしています。
C26セレナ CVTF圧送交換|ECOモード時のジャダー相談・ストレーナー交換【鹿児島県曽於市】関連ページ
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